来訪者とマチをつなぐ、未来へ向けて。
高山 七海さん
宿への憧れと、一人旅が教えてくれた「出会い」の豊かさ。
弟子屈町で暮らし、6年目を迎える高山さん。東京で生まれ育ち、親戚を通じて訪れた弟子屈の魅力に惹かれ、この地へ移住を決意しました。現在は、観光タクシー事業を展開しています。高山さんの事業の根底にあるのは、幼い頃からの「小さな宿をやりたい」という純粋な思いです。「自分が感動したことで人に喜んでもらいたい。多くの出会いは、人生を豊かにしてくれると感じています」と語ります。その価値観の原点は、大学入学前の春休みに一人で渡米した経験にありました。自ら手配した宿で様々な人と仲良くなり、偶発的な出会いがもたらす新鮮な感動を味わったこと。その「オープンマインドな空気」に触れた体験が、現在の彼のおもてなしの精神に深く息づいています。

ゼロからの事業開発。点と点を結ぶ「地域のコンシェルジュ」へ。
弟子屈に移住後、通信販売会社の新規事業担当として「ゼロから1を生み出す」経験を5年間積んだ高山さん。その過程で得た学びが、現在の事業立ち上げの強固な基盤となっています。彼の事業は、単なるA地点からB地点への移動手段ではありません。空港送迎や観光案内を軸としながらも、飲食店やネイチャーガイドなど地域の人々と密に連携し、ゲストの要望に合わせたオーダーメイドの体験を提供しています。「お客様とまちの人々を繋ぎ、まち全体でおもてなしをするイメージです。お客様の滞在を、この場ならではのものにしたいですし、地域のみんなの役にも立ちたい」。一般的な決まったコースを案内するガイドの枠を超え、点と点を結びつける「地域のコンシェルジュ」として、これまでの観光にはなかった新しい価値を創り出しています。



本質的な面白さの探究。川湯の再生と未来への覚悟。
ビジターセンターの安藤さんとの出会いをきっかけに始まった、屈斜路カルデラを案内する新たな体験づくり。それぞれの「やりたいこと」が共鳴し、確かな手応えを感じている高山さんが最も大切にしているのは、「弟子屈町のためになること」という揺るぎない信念です。「今は川湯温泉街の再生に皆で取り組んでいるので、それに寄与する体験を作りたい。また、富裕層や外国人観光客など、これまで受け入れが難しかったゲストの受け皿にもなりたい」と、未来のビジョンを語ります。地域のために本質的な面白さを探求し、品質を磨き続けなければ淘汰されるという強い覚悟。高山さんが運転する車は、ゲストを目的地へ運ぶだけでなく、川湯という町の再生と未来へと続く道筋を力強く切り拓いています。

