自ら感じた、温泉の価値を伝える。
ネイチャーガイド鎌田さん・日帰り温泉「湯吉」スタッフ 前田さん
外からの視点で見つけた、川湯が持つ圧倒的な癒しの力。
共に北海道外、あるいは別の町から弟子屈へ移住してきた鎌田さんと前田さん。二人が川湯に深く惹かれた理由は、図らずも「心身の不調からの回復」という共通の体験にありました。「心が疲れていた時、硫黄山の力強い噴気と大地のエネルギーが、じわじわと体に入り込んでくるのを感じました。人生を頑張ろうと思わせてくれたんです」と鎌田さんは語ります。大阪から移住した前田さんもまた、療養中に川湯温泉の威力を身をもって体感しました。「お風呂に入りだしたら、みるみる元気になっていって、復活力が半端なかったんです」。外からやってきて、この大自然のエネルギーに救われた二人だからこそ、川湯の奇跡的な環境を誰よりも客観的に、そして深く愛しているのです。

知ることで変わる、温泉への「まなざし」。
「温泉好きの人はたくさん来ますが、その背景にある壮大な自然のストーリーを知っている人は多くありません」と、日帰り温泉「湯吉」で働く前田さんは指摘します。硫黄山という圧倒的な「湯元」が存在し、そこから地下を流れてくるからこそ、川湯の温泉はこれほどの鮮度と質を保つことができる。このツアーは、そんな見えない繋がりを解き明かす旅です。「ただお湯に浸かるだけでなく、そのルーツを知ることで、温泉の楽しみ方は全く違うものになります」と鎌田さん。参加者たちが森を歩き、お湯のストーリーを聞きながら「そうだったんだ」と驚き、子どものように目を輝かせる姿を見るのが、二人の大きなやりがいとなっています。



季節の移ろいと、未来へ繋ぐコミュニケーション。
道東の厳しい自然の中にも、二人はそれぞれの美しさを見出しています。鎌田さんが好きなのは、殺風景な冬から一斉に生命が芽吹き、色彩が戻る「春」。前田さんが愛するのは、厳しい寒さの中で樹氷が最も美しく輝く「真冬」です。このツアーは、そんな季節ごとの微かな変化を五感で味わう体験でもあります。「一度このストーリーを知れば、次からは自分自身で歩き、新たな発見を楽しむことができます」と前田さん。鎌田さんと前田さんの挑戦は、単なる観光案内ではありません。自然と人を繋ぎ、訪れる人と町の人々とのコミュニケーションを生み出し、川湯の環境を未来へと大切に守り継いでいくための、温かな架け橋となっているのです。

