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地球の断片に魅せられて。好奇心がひらく。

川湯ビジターセンター 安藤 心さん

圧倒的な地形と、40万年のスケールに魅せられて。

地域おこし協力隊としての経験を経て、弟子屈への定住を決断した安藤さん。北海道内の数ある候補地からこの地を選んだ最大の理由は「地形」でした。湖があり、風景が大きく開けるこの地の開放感に、初めて訪れた時から心を奪われたと言います。大雪山のような険しい山岳地帯とは異なり、森があり、湖があり、多様な生き物が息づく阿寒摩周の自然。「ここでは、地形も森も、すべてが地球の歴史を物語っています。」と彼は語ります。都市で暮らしていると実感することのない、40万年という途方もない地球の時間軸。そんな圧倒的なスケールに触れると、私たちの日常の悩みも、ほんのちっぽけなものに感じられます。安藤さんは、ただ美しい景色を見せるだけでなく、参加者が地球規模の視点に立ち返り、自然と人との関わりを静かに考え直すための「入り口」を提供したいと願っています。

好奇心を呼び起こし、内なる「なぜ?」と対話する。

「自然には正解がありません。だからこそ、好奇心を持つことで世界はぐっと面白くなります」と安藤さんは語ります。ただ漫然と森を歩くだけでは、その奥深さに気づくことはできません。彼のガイドの真骨頂は、参加者の内なる「なぜ?」を巧みに引き出すことにあります。「なぜ低地なのに高山植物が咲いているのか?」「なぜ倒木がそのままになっているのか?」。そんな問いに対して、一つひとつ丁寧に、そして深く紐解いていく安藤さんの解説は、見慣れた景色に新たな意味を与えてくれます。そして、その疑問が解けた瞬間の「感動」こそが、人の心に最も残るのだと彼は信じています。地下数十センチに広がる火山灰と、その上で懸命に生きる巨大な木々。自然の厳しさと生命のたくましさを同時に知るとき、私たちのものの見方はゆっくりと広がっていくのです。

自然の多様性が教えてくれる、自由な生き方。

安藤さんが最近惹かれているのが、植物の「生活史」です。例えば、花を咲かせるまでに10年もの歳月を要する小さなエンレイソウ。基本は3枚の葉や花びらを持つものの、中には葉も花びらも2枚しか持たない変異した個体も存在します。安藤さんは、そんな一代限りの変異を愛おしそうに見つめます。「みんなと同じタイミングで同じように生きなくてもいい。自然の中にいると、既存の価値観に縛られない自由な発想が生まれます」。季節の移ろいに身を委ね、草木の変化に目を向け、冬には雪と向き合う暮らし。その一つひとつに、確かな充実感があると彼は言います。彼と共にアカエゾマツの森を歩くことは、自然の多様性に触れるだけでなく、自分自身の生き方の選択肢を静かに広げてくれる、そんな内省の時間となるはずです。

長い時間軸に身を置き感じる⁠、自然の楽しみ方⁠。〜⁠⁠川湯ビジターセンター⁠⁠・⁠⁠アカエゾマツの森ガイドウォーク〜

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